しがない宇宙船

ギャラクシー団体　ジム　４月１２日　AM１０：００
由羅「う～・・・緊張するわぁ・・・このドアを開けるともうテストを受けに来た子達がいるんですよね？」
霧子「そうですね。さぁ・・・由羅さん、もう開始時間なので入りましょう」
由羅「ちょ・・・ちょっとトイレに・・・」
霧子「ダメです。テストに社長が遅れては示しがつかないでしょう」
そういって霧子さんがドアを開く。
するとたくさんの視線が俺におくられてくる。俺は動じないように振る舞いつつ・・・といっても緊張して足が震えまくりパラダイスだが、用意された席に着く。
すでに親父の・・・いや、新日本女子プロレスの方から派遣してもらった審査をしてくれる人材も席に着いていた。何て無表情な人達だよ・・・いっそう緊張してしまうじゃないか。
霧子「それでは、社長あいさつをお願いします」
由羅「え？あ・・・はい」
うおおおおおおおおおい！？そんなのあるなんて聞いてないって！！あいさつって・・・こういうののあいさつってどうやればいいんだ？わ、わからない・・・・・けど、やるしかないのねorz
由羅「え、ええ～皆さん、本日は我が団体ギャラクシーの新人テストにご参加頂きまして、ありがとうございます。正直言ってこれほどの人数が集まってくれるとは思っていませんでした」
そう言いつつ俺は集まった子達を見回した。
ざっと数えて・・・だいたい３０～４０人くらいだろうか。そこらへんの男よりいかつい子、プロレスをやるようには見えないような細い子、色んな子達がいる。なんだか学校で発表会をする時の気分にさせられるなぁ・・・。
由羅「ひょっとしたらこの中に我が団体を引っ張って行ってくれる、素晴らしい選手がいるかもしれません。私も初めての新人テストなので今から楽しみです。皆さんの奮闘を期待します！」
そう言って俺は席に着いた。・・・こここここんなんでよかったのだろうか？
俺は横目で隣に座っている霧子さんをみた。
すると霧子さんは静かに頷いてくれた。
審査員A「さて、それでは早速始めますか」
審査員B「はい」
何だろう？何を始める気だろう？
審査員A「まずは面接を行います。え～っと・・・全部で３５人ですか・・・それでは１～５番はココに残ってください。他の選手達は少しだけドアの外でお待ち頂けますか」
審査員の人達がそう言うと１～５の番号札を胸につけている子達以外は外に出て行った。
いきなり喧嘩とか始める子達とかいると思ったから何か意外な光景だった。
霧子「それでは由羅さんもテストを受けにきた子達に何か聞きたいこと等ありましたら遠慮なく質問してくださいね」
由羅「は、はい！」
って何で俺が選手みたいにハキハキ返事してるんだよ・・・。
審査員B「それでは、君は何故・・・」
審査員の人が質問を始めた。ハキハキと返事をしている子もいれば少しどもる子もいた。ちなみに俺がテストを受ける側なら確実に後者のようになっていただろう。
そしてとりあえず１～２５番までの面接が終わった。
審査員A「う～ん・・・」
審査員B「なんだか・・・ねぇ？」
？何か不満そうだな・・・。
由羅「えっと・・・どうかしましたか？」
審査員A「ああ・・・社長さんの前でこういうのもあれですが・・・正直あまり良い人材がいるように思えなくて」
審査員B「ですな・・・これは面接で結構な数が減るかもしれませんね」
由羅「え？そ、そうなんですか？皆結構しっかりしてそうな感じを受けたんですけど・・・」
すると審査員の方が
審査員A「しっかりしてそうだから、だけで女子プロレスの面接はうかる訳ではないんですよ」
と言った。
由羅「はぁ・・・そういうものなんですか？」
審査員A「そういうものです」
言いきりおった・・・。まぁ・・・俺はここら辺のことは正直わからないし審査員の方達に任せるしか無いんだけどね。
審査員B「それでは、２６～３０番の方どうぞ」
あと残り１０人か・・・今の所、審査員の人達が言うには「なんだかな～」って事らしいしなぁ・・・。頼むから・・・俺がこんなんだから少しでも優秀な人材来てくれ！と思うダメな社長俺だった。