しがない宇宙船

家を出た二人は目的地に向かう為、ステーション（駅）へと向かっていた。
ステーションとはリコナ達の住んでいるこの始まりの地、コカーヤモタウンでは場所を移動する際には当たり前のように使われている公共機関だ。だいたい１５分から３０分に１回来るカソツシビ（電車が車輪無しで少し浮上して進むような感じのモノ）という乗り物に乗って移動する。
ステーションに向かう途中イブキが話をし始めた。
「そういえばリコナ、知ってる？昨日もまたセントラルポイントで謎の原因で怪我人が５人も出たって話」
セントラルポイントというのはコカーヤモタウンの中央に位置するもっとも人々が利用する地点の事である。飲食店やファッション系の店、娯楽施設等、様々な店舗があるいわばこの街で一番人々の訪問頻度が高い場所である。
「また？・・・確かここ５日くらいずっと立て続けにそういう事件おこってない？」
「確かにね・・・でもおかしいのよねぇ。報道では通り魔事件っぽく騒いでいるけど、私たちのところに入っている情報で考えると通り魔なんかとは全く関係なさそうな感じがするのよね」
「ああ・・・たしか傷口が明らかに人が危害を加えた感じじゃない・・・とかだっけ？」
「そうそう。ま、今日ニア・ギツエに行けば何か言われるかもね」
「最近の事件で早期解決の望まれる事件って言えばここでは今それが一番だと思うしね。」
二人はそんな会話をしているうちにステーションに到着した。そして目的地、ニア・ギツエという場所に向かうのであった。